メガネレンズの設計とは?|球面・非球面レンズの違いについて解説

更新日時:2024年4月22日 / 公開日時:2020年11月13日公開

なるべく軽くて、薄くて、歪まずキレイに見えるメガネを選びたい。
目が小さくなったり、顔の輪郭線がズレたり…。メガネをかけたときの他人からの見え方を、もっと綺麗にしたい。
メガネを装用するときには、「快適な視界」と「見た目の美観」の両方がほしいところですよね。

そういった希望を叶えるには、メガネのフレームだけでなく、レンズ選びもとっても重要なんです。レンズを通した見え方やかけた時の見た目は実は度数だけでなく、レンズの「設計」によっても異なるということをご存じでしょうか。

このコラムでは、レンズ設計の違いやそれぞれの特徴について解説をしていきます。

レンズ設計の違い

単焦点レンズと言われる「遠視・近視・乱視・老視用」のメガネレンズは、大きく分けて
球面レンズ」「非球面レンズ」「両面非球面レンズ
の3つの設計に分けることができます。

■歪みの出やすい「球面レンズ」

レンズ自体が高いカーブを描いており、レンズの中央部分と周辺部で見え方に違いが生じます。上図の一番右を見ても分かるように、歪みがなくもっとも綺麗に見える箇所はレンズの中心部分です。そして中心部分から離れるほど、歪んで見えやすいのです。特に強度レンズは歪みが大きくなり、厚みも出てしまいます。


■カーブをフラットに抑えた「非球面レンズ」

上述の球面レンズのデメリットを解決するため、 レンズのカーブを浅く設計したレンズが「非球面レンズ」 です。 レンズの外側の面がフラットに仕上げられた「外面非球面」と、内側の面がフラットになった「内面非球面」の2つに分けられます。
上図中央の写真のように、球面レンズと比べて周辺部の歪みが少なくなっているため、よりクリアで快適な視界を得ることができます。また、球面レンズよりも薄くて軽いレンズになります。


■最もクリアで最も薄い!「両面非球面レンズ」

名前のとおり、レンズの表と裏両面のカーブを浅くフラットに設計しているレンズが「両面非球面レンズ」です。
非球面レンズよりもさらに歪みが少なくなり、また1枚のレンズ内における厚みの差が少なくなるので、より薄く仕上げることができます。上図左の写真のように、レンズの中心から視点が外れても極端に見え方が悪くならないという大きなメリットがあります。メガネをかけるとクラクラする方や、度数が強い方、乱視のある方には特におすすめのレンズです。

お悩み解消!レンズの選び方でこんなに違うんです

メガネをかけたときによく聞くのが「目が小さくみえる」「顔の輪郭がメガネのところだけガクッとズレたようにみえる」といったお悩み。
さらに、度数が強いとどうしてもレンズが分厚くなってしまうことにも、頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。
そういった困ったメガネあるあるの一因は、やっぱりレンズの設計です。 レンズ設計の違いがどのように表れるのか、ポイントを見てみましょう。

フェイスラインの変化

上の写真は、球面レンズと非球面レンズそれぞれのメガネをかけたときの見え方を比べたものです。

通常の球面レンズの場合(左写真)、非球面レンズ(右写真)と比べるとフェイスラインの歪み・ズレが大きいことが分かります。歪みが少ない非球面レンズであればフェイスラインの崩れも少なくなるので、これらのお悩みも軽減されるのです。

もちろん、レンズの表も裏もこだわり設計の「両面非球面」のレンズであれば、よりキレイな仕上がりが期待できます!

メガネレンズを薄くするには

度数が強くなればなるほど、レンズの厚みが気になるものですよね。
上述の通り、レンズの設計を変えることよりレンズを薄くすることが可能です。加えて、厚みの決め手となるのはレンズの「屈折率」です。

屈折率という言葉は普段なじみがないかもしれませんが、 実はメガネレンズの名称にはこの屈折率の数字が含まれていることが多いんです。例えば、「EA60VS」という名称のレンズの場合だと「屈折率は1.60」となります。
同じレンズ設計の場合、この屈折率の数字が高いほど薄型になるとイメージしてください。ただし、度数が弱いとあまり差が出ない場合もあります。

さらにレンズを薄くする手段として、遠視用や老視用のプラス度数のレンズには 「薄型加工」という加工を施すことができます。レンズ全体の厚みを低減し、薄く軽く仕上げてくれる優れた加工です。
また、左右で度数がかなり違う場合だと左右のレンズの厚みに差が出てしまいますが、薄型加工をすれば左右のバランスが整った、見た目・掛け心地ともにより良い仕上がりになります。


また近視用のマイナス度数のレンズでは、中心部よりも端にいくほどレンズの厚みが出ます。そのため、同じ度数のレンズでも小さめのフレームをセレクトしたほうがレンズの厚みがより気にならなくなります。


ここまで、メガネのお悩み改善策をご紹介してきました。見え方・見た目ともにより良いメガネを作るのに大切なレンズ選びのポイントをまとめてみると、以下の通りになります。


1.レンズの設計を選ぶ (球面<非球面<両面非球面)
2.より高い屈折率のレンズを選ぶ
3.プラス度数のレンズの場合は、薄型加工をする
4.近視のメガネの場合は、レンズ幅が小さいフレームを選ぶ

メガネレンズの相談は念入りに行いましょう!

単焦点レンズだけでも、球面レンズ、非球面レンズ、両面非球面レンズといろいろな種類があることを知っていただけたと思います。メガネを作るときには、きちんとレンズの詳細を確認して選ぶようにしましょう。
視力をしっかりと測定するだけでなく、メガネの使用目的や見え方なども考慮した上で、その視力に適したメガネを作成することが大切です。
また、両面非球面レンズについては取り扱いの無いお店もありますので、購入を考えている方は事前に確認を行いましょう。

メガネストアーでは600種類以上の取扱レンズの中から、お客様一人一人に合わせて最適なレンズをご提案させて頂きます。
非球面、両面非球面レンズに加え、超薄型レンズやブルーライトカットオプションなど、様々な組み合わせでお客様に最適なレンズをご提案させて頂きます。また、プラスチックレンズでは世界最薄クラスの屈折率「1.76」のメガネレンズもご用意しております。

快適な見え方や使い心地をお求めの方は、お近くのメガネストアーまで是非ご来店ください。