船橋夏見店 ブログ

こんにちは。船橋夏見店です。
長い長い太陽の季節が終わり、少しずつ、葉の色が穏やかな色に変わり
やっと一年で一番僕が好きな季節になってきました。

先日、仕事の研修で、僕たちの『耳』についての講義を受けてきました。
大まかに、自分が理解した内容でご説明すると、

その機能は大きく二つ。
一つは音を耳の中で増幅させる”アンプ”の役割。
もう一つは入ってきた音が「あ」なのか「さ」なのか「ひ」なのか、
文字に変換する”パソコン”のような役割。

例えば「さかな」は「SA-KA-NA」というように、母音のAと子音のSやKやNが組み合わさって構成されています。この子音が徐々に判別できなくなっていってしまうので、
「さかな」が「あああ」と聞こえてしまいます。
そして、その両者の仕組みは(特に後者)未だ詳しく解明されておらず、
確実にわかっているのは『その神経は消耗し、回復することは決してない』とのこと。

また、”音”とは、そもそも空気の振動なわけで、
なぜ高い音か低い音かがわかるかというと、その振動数によります。
人間の耳で聞こえる範囲は、20Hz〜20,000Hz。
これは「一秒間に20回〜20,000回振動する音まで聞こえる。」ということ。
振動する回数が少なければ低い音。多ければ高い音に認識される。
と、同時に振動する回数が多いほど、僕たちの神経は消耗し、
やはり回復することはないとのこと。年を重ねる程、高い音は聞こえなくなっていく。

結論、僕たちの耳は消耗品です。

こう書くと、なんだかすごくネガティブな印象かもしれません。
しかし、だからこそ大事にしたい。なので、こう言い換えます。

僕たちの耳は”代えの効かない”消耗品です。

例えば、レコードとCDは音が違います。なぜかと言うと、
CDはデジタル化されているからです。デジタル化とは「0」と「1」の組み合わせです。

では、0でも1でもない部分はどうなるか。無理矢理0か1に変換される。もしくは切り捨てられる。確かに便利ですが。なんだか、この国の縮図のような構造です。
余談ですが、こういったブログやメールよりも、手紙の方が何か伝わる気がするのは、
まさに0でも1でもない部分が残るからだと思います。

僕は”生”の音が好きです。CDで聞くよりも、ライブに行きたい。
テレビで見るよりも、海は近くで見たい。電話で話すより、直接会いたい。

デジタルに変換されない、”無駄”にこそ、大事なもんがあるんじゃないか。
そういった部分を一個一個削ぎ落とさず、拾えるのが本来の耳の役割なんじゃないか。
冒頭に書いた、耳の大きな役割。音を増幅させるアンプの役割。
音を分析するパソコンの役割。僕はもう一つあると思います。

「その音にどういう想いが込められているか。」を感じられる役割。
明るい音、悲しい音、美しい音、汚い音、あったかい音、冷たい音。
”音”はあくまで”空気の振動”です。明るくも、悲しくも、ましてや温度があるわけではありません。そう表現するのは、その人の主観です。
しかし、なんとなくわかります。
耳本来の役割が消耗していっても、この役割は失わずにいたいです。
自分の好きなミュージシャンが、歌詞やメロディーからではなく、
その音で何を本質的に伝えたいのかを感じたい。
一生かかっても、人間が出すことができない地球の声を、自然の中で聞きたい。
大切な人が、いくら明るい声や言葉を並べても、
本当は泣きたいんだってことに気づける自分でいたい。

船橋夏見店は眼鏡・コンタクトレンズ以外に、補聴器取り扱い店です。
補聴器は現在、ほとんどが”デジタル”です。
そして、当店はできるだけ”生に近い音の”デジタル補聴器を販売しています。

今まで聞こえのことで、お悩みの方、ご本人様・ご家族へ、少しでも多くのお客様の、
お耳のサポートをさせていただければと思います。

実は補聴器には一般的に広く知られている、
「聞こえを良くする」という機能以外にもうひとつ大事な機能があります。
それは補聴器をつけることによって、その耳の「元々ある聴力を保てる」という機能です。

目も耳も、体は少しずつ、確実に失われていくもの。
だからこそ、大切にしていきたいと思います。

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