メガネレンズの設計とは?|球面・非球面レンズの違いについて解説

更新日時:2022年9月4日 / 公開日時:2020年11月13日公開

メガネを装用するときに、快適な視界を得ることが出来るレンズを装用することはとても重要です。レンズを通した見え方は、実は度数だけでなくレンズの設計によっても異なります。この記事ではレンズ設計の違いについて解説をしていきます。

レンズ設計の違い

単焦点レンズと言われる「遠視・近視・乱視・老視用」のメガネレンズは大きく「球面レンズ」「非球面レンズ」「両面非球面レンズ」に分けることができます。

球面レンズ」はレンズ自体が高カーブを描いており、中央部分と周辺部で見え方に違いが生じます。上図の一番右を見ても分かるように歪みがなくもっとも綺麗に見える箇所は中心部分で、中心部分から離れるほど歪んで見えやすいです。特に強度レンズは歪みが大きくなり、厚みも出てしまいます。

一方、「非球面レンズ」は上述の「球面レンズ」のデメリットを解決出来るレンズです。中央の写真を見てみると球面レンズと比べるとレンズがフラットになり、周辺部の歪みが少なくなっているため、よりクリアで快適な視界を得ることができます。また、球面レンズよりも薄くて軽いレンズになります。

両面非球面レンズ」と言われるメガネレンズは、非球面レンズよりもさらに歪みが少なくなり、一番左の写真を見ても分かるようにレンズの中心から視点が外れても極端に見え方が悪くならないという特徴があります。メガネをかけるとクラクラする方や、度数が強い方、乱視のある方には特におすすめのレンズです。

フェイスラインの変化

よく、メガネをかけたときに「目が小さく見える」と悩んでいる方もいると思いますが、それはレンズの設計によるものです。上の写真は、球面レンズと非球面レンズそれぞれのメガネをかけたときの見え方を比べたものです。

通常の球面レンズの場合(左写真)、歪みが少ない非球面レンズ(右写真)と比べるとフェイスラインの歪み(ズレ)が大きいことが分かります。歪みが少ない非球面レンズであればフェイスラインの崩れも少なくなるので、そのような悩みも軽減されます。

もちろん「両面非球面」のレンズであればより軽減することが出来ます。

メガネレンズを薄くするには

度数が強くなればなるほど、レンズの厚みが気になるものですよね。
上述の通り、レンズの設計を変えることよりレンズを薄くすることが可能です。加えて、厚みの決め手となるのは「屈折率」です。
レンズを薄くするためには、主に以下の方法があります。

1. より高い屈折率のレンズを選ぶ
2. レンズの設計を選ぶ (球面<非球面<両面非球面)
3.薄型加工をする ※プラスレンズの場合のみ
4.小さいフレームのメガネにする ※近視の場合のみ

屈折率」という言葉はなじみがないかもしれませんが、よくレンズ名についている数字です。
「1.60球面レンズ」の場合は「屈折率1.60」となります。同じ設計の場合、この屈折率の数字が高いほど薄型になるとイメージしてください。ただし、度数が弱い場合はあまり差が出ない場合もあります。

遠視用や老視用のプラスレンズには 「薄型加工」をすることでレンズを薄くできます。また、左右で度数がかなり違う場合だと左右の厚みに差が出てしまいますが、薄型加工をすれば左右のバランスが整った、見た目・掛け心地ともにより良い仕上がりになります。

近視用レンズの場合、中心部よりも端にいくほどレンズの厚みが出ます。そのため、同じ度数のレンズでも小さめフレームにすることでレンズの厚みがより気にならなくなります

メガネレンズの相談は念入りに行いましょう!

単焦点レンズだけでも球面レンズ、非球面レンズ、両面非球面レンズといろいろな種類がありますから、メガネ作成はきちんとメガネ店に行って相談しましょう。
視力をしっかりと測定するだけでなく、メガネの使用目的や見え方なども考慮した上で、その視力に適したメガネを作成することが大切です。
また、両面非球面レンズについては取り扱いの無いお店もありますので、購入を考えている方は事前に確認を行いましょう。

メガネストアーでは400種類以上の取扱レンズの中から、お客様一人一人に合わせて最適なレンズをご提案させて頂きます。
非球面、両面非球面レンズに加え、薄型レンズやブルーライトカットオプションなど、様々な組み合わせでお客様に最適なレンズをご提案させて頂きます。また、プラスチックレンズでは世界最薄クラスの屈折率「1.76」のメガネレンズもご用意しております。

快適な見え方や使い心地をお求めの方は、お近くのメガネストアーまで是非ご来店ください。